大麻の摘発が増えている。今秋には、鳥取県から町おこしを目的に「産業用大麻」の栽培者免許を受けていた同県智頭(ちづ)町の会社代表の男が、乾燥大麻を所持した容疑で逮捕された。男は大麻の栽培講習を開き、他県から参加した公務員らも同容疑で逮捕された。12日にあった男の初公判で検察側は、男が遅くとも2003年ごろから大麻の使用を始めていたと主張した。
「西日本で唯一の見学可能な麻畑」。智頭町の「八十八(はちじゅうはち)や」はホームページなどでこう呼びかけ、大麻草の栽培講習への参加者を全国から募ってきた。
同町八河谷(やこうだに)にある約1・3ヘクタールの畑の一部で14年春から始めた、3ー12月の10カ月に及ぶ「麻畑体験年間コース」。11回にわたり、種まき、間引き、繊維採取、株や種子の刈り取り、種子の脱穀などを体験する。今年は入会金5千円、コース料金5万5千円。参加2年目のコース料金は3万円と、安く設定していた。
(中略)
年間コース参加者の中には、いずれも大麻取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕された岡山県真庭(まにわ)市の元臨時職員の男(34)=公判中=と、高知県大豊(おおとよ)町の元職員の男(34)=懲役6カ月執行猶予3年と大麻没収の有罪判決が確定=もいた。真庭市の男は、大麻草栽培による町おこしを市に提案し、昨年と今年の年間コースに参加。2年間の料金は公費から支出されていた。大豊町の男も「大麻製品の販売は地域振興に役立つ」と町に説明し、公費で今年の講習に参加した。
捜査関係者によると、上野被告らが所持したとされる乾燥大麻は、八十八やが栽培した麻薬成分の少ない産業用大麻ではなかった。
昨年7月には安倍晋三首相の妻昭恵さんが、上野被告の畑を訪れて話を聞いた。昭恵さんは当時、報道陣の取材に「日本で盛んに行われて、廃れてしまっている伝統産業の麻(大麻草)に関心をもった」と話した。上野被告は逮捕前、NPO法人「日本麻協会」(奈良市)の理事を務めていた。協会が主催する世界麻環境フォーラムが7月、京都市左京区で開かれ、上野被告や昭恵さんらがパネリストとして登壇した。
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上野被告の畑から大麻草を押収する麻薬取締官ら
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大麻草を栽培していた畑。柵で囲まれ、入り口には防犯カメラが設置されていた
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地図
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ソース全文は
http://www.asahi.com/articles/ASJDD5K3ZJDDPTIL021.html