ミャンマー西部で治安部隊が掃討作戦、86人死亡 戦闘激化
(CNN) ミャンマー西部のラカイン州で治安部隊が武装勢力に対する掃討作戦を展開し、国営メディアによると、最近の戦闘で治安部隊のメンバー少なくとも17人と「襲撃犯」69人が死亡した。治安状況の悪化に国際人権団体などが懸念を示している。
ラカイン州では長年、イスラム教徒の少数民族ロヒンギャ族が差別や迫害を受けていると指摘されてきた。
治安部隊の掃討作戦は先月、バングラデシュ国境に近い同州のマウンドーで起きた襲撃事件をきっかけに始まった。国営メディアによると、約300人の武装集団による襲撃で兵士や警官十数人が殺害された。
治安部隊と警察はこの地域を事実上封鎖し、武装集団が潜伏しているとされるロヒンギャ族の村を捜索している。
国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチ(HRW)のフィル・ロバートソン氏はこの作戦について、治安部隊側による過剰反応との見方を示し、「まず撃て、質問はその後だ、というやり方だ」と批判する。兵士らが正当な理由なく民間人を拘束したり、拷問や略奪、住民が裁判を経ずに処刑される「超法規的殺人」が起きたりしているとの情報があるという。
当局の発表によれば、拘束された襲撃犯や「テロリスト」は14日だけで31人、9日以降で計234人に上る。
国営メディアはマウンドーで武装集団が民家を焼き払ったと伝えたが、治安部隊の仕業だとする報告もあり、情報が交錯している。
9月に設置されたラカイン州顧問委員会の委員長を務めるコフィ・アナン前国連事務総長は、最近の情勢に懸念を示す声明を出した。米国務省も暴力の激化を注視していると述べた。
HRWは、ミャンマー政府がこの地域からの情報の流れを遮断していると主張。政府に対し、人権侵害の調査に協力する国連要員の立ち入りを認めるよう求めている。
当局の発表によると、バングラデシュ国境付近では13日、掃討作戦に向かった部隊が約500人の武装集団から待ち伏せ攻撃を受け、兵士2人が死亡した。これを受け、空軍のヘリコプターが上空から武装集団に銃撃を加えたという。
そーす http://www.cnn.co.jp/world/35092292.html?tag=top;topStories