税の無駄1兆2189億円=過去2番目の多額-15年度決算報告・会計検査院
会計検査院は7日、2015年度の決算検査報告書を安倍晋三首相に提出した。税金の無駄遣いなどの指摘金額は過去2番目に多い1兆2189億4132万円で、6年ぶりに1兆円を超えた。指摘件数は前年度より115件少ない455件。このうち法令違反などの「不当事項」は345件、計178億3541万円に上った。
指摘金額は、金融庁の1件で1兆964億円と全体の9割近くを占め、総額の押し上げ要因になった。預金保険機構に設けられた金融機能早期健全化勘定のうち、今後使われる可能性のある最大限の額を差し引いた分を余裕資金として試算。国庫納付など有効活用を求めた。
省庁別で2番目に多かったのは厚生労働省の337億円。同省は件数(随時報告分など除く)が185件と最多だった。都道府県社会福祉協議会が低所得者らに低金利で生活資金などを貸す「生活福祉資金貸付事業」で一部社協の保有資産が過大としたが、原資を補助する国や都道府県に過大分を返還する規定がなく、改善を求めるなどした。
他は額が多い順に、国土交通省266億円、農林水産省213億円など。(2016/11/07-14:50)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016110700447&g=soc