原子力規制委員会は二十七日、北陸電力志賀原発(石川県)の1号機原子炉建屋直下を通る「S-1断層」が地盤をずらす可能性のある断層(活断層)と指摘した有識者調査団の評価書を受理した。規制委が「重要な知 見」として扱う評価書が確定した。
北陸電はこれまで断層の活動性を否定しており、今後、1号機について新規制基準への適合性審査を申請し、審査の過程であらため て否定する方針。ただ評価書を覆すのは困難とみられ、その場合、1号機は再稼働できず廃炉を迫られる。
新基準は十二万~十三万年前以降の活動が否定できないものを活断層として、真上に重要施設を設置することを禁じている。
評価書はS-1断層について、1号機の建設前に行われた試掘溝調査で観察された段差などを根拠に「十二万~十三万年前以降に変位したと解釈するのが合理的」と指摘。
その上で「今回は限られた資料に基づく判断」として、より正確な評価を得るため、北陸電に鉱物の詳細分析や深い地層のボーリング調査などによるデータの拡充を 求めた。
田中俊一委員長は「北陸電は課題に真摯(しんし)に取り組むのが当然の義務だ。 曖昧な部分に関してはデータを提示してもらい、規制委が最終的な判断をする」と述べた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016042702000240.html