ICU
LGBT配慮の学生寮 性別不問のフロア初設置
国際基督教大学(ICU・東京都三鷹市)は、性同一性障害などの性的少数者(LGBT)に配慮した学生寮を新築する。
男女区別なく入居でき、共同浴場のほかに個室のシャワーブースを備える。今月着工し、2017年4月にオープン予定だ。
同大は03年度にトランスジェンダー(性同一性障害を含む体と心の性が一致しない人)の学生に学籍簿上の名前と性別の変更を初めて認めるなど、
LGBTへの対応をいち早く進めてきた。04年度には学内にジェンダー研究センターを設置し、対応を強化。
定期健康診断を個別に受診できるようにするなどしている。設備面では、男女の別がない多目的トイレを設置し、個別に利用できる更衣室を常設にした。
キャンパス内にある学生寮は現行で9寮。このうち、01年度に完成した国際寮「グローバルハウス」で初めて男女が同じ寮で生活するのが一般的な欧米方式を採用。
これ以降に建てられた4寮は男女とも入居可能にし、同じ棟をフロアごとに男女別にしている。そのほかは、1寮が男子寮、3寮が女子寮、1寮が大学院生対象の夫婦寮だ。
今回新築する2棟(7階建てと5階建て)ではさらに、上層階に性別を問わないフロアを初めて設置する。
LGBTの該当者だけでなく、希望する学生を受け入れる。また大浴場での入浴を避けたい学生のため、各フロアに個室のシャワーブースも設置する。
新寮は建築家の隈研吾氏と日本設計が監修した。
日比谷潤子学長は「同性カップルに公的書類を発行する自治体が増えるなど、今後、LGBTへの対応がますます求められる。
学内のジェンダーフリーをさらに推進していきたい」と話している。
http://mainichi.jp/articles/20151215/k00/00e/040/181000c