蛍光に光るウナギの仲間を発見、世界初
鮮やかな緑色に蛍光発光する魚が野生で初めて撮影されたのは2011年にさかのぼる。ナショナル ジオグラフィック協会のエクスプローラーで米ニューヨーク市立大学の海洋生物学者であるデビッド・グルーバー氏が、カリブ海の英領リトルケイマン島で撮影していた写真に、小さなウナギのような魚が写り込んだときだった。
そのとき彼が撮影した蛍光発光するサンゴの写真のなかで、指ほどの体長の細長い魚はひときわ明るい光を放っていた。
グルーバー氏は「これを見た瞬間、はっとしました。サンゴのように明るく光る魚などありえなかったからです」
この発見をきっかけに、海洋動物の生物蛍光に関する新たな研究が始まった。現時点で、生物蛍光を示す魚が180種以上発見され、驚くほど多くの海洋脊椎動物が光を操作して青一色の環境に色彩を作り出していることが明らかになっている。
なお、生物が化学反応によってみずから発光したり、発光する細菌の宿主になったりして光を発する現象が「生物発光」と呼ばれるのに対して、「生物蛍光」は、生物に光が当たったときに別の色の光を放出する現象だ。
グルーバー氏によると、イワアナゴの筋組織を分子レベルで調べた結果、未知の蛍光タンパク質が緑色の光を生み出していることが明らかになったという。
この蛍光タンパク質は、イワアナゴの進化の歴史のどこかで、イワアナゴの脳から筋肉へと移動し、そこで蛍光するようになったという。
その後、イワアナゴの体の蛍光タンパク質は「強く選択」されるようになった。これは、蛍光に特定の機能が備わっていることを意味する。
蛍光が果たす役割はまだ分かっていないが、グルーバー氏は、ふだん単独で暮らしているイワアナゴが繁殖時期に相手を見つけるのにこの光を利用しているのではないかと考えている。
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