緊急事態だ。白鵬が初日から2連敗するのは、小結だった平成17年九州場所以来。しかも2日続けて、これまで一度も負けたことがない相手に屈した。
素早い嘉風を組み止められない。左にまわりながらいなしてしのぐが後手後手。最後は足が流れて相手の引き落としにばったり両手をついた。横綱としての落ち着きや下半身の柔らかさなど、本来の精彩を欠いているのは明らかだった。
白鵬は打ち出し後に病院で検査を受け、左膝の故障を明かした。違和感は場所前の連合稽古からあったようで、「何かわからないけど、踏ん張りきれない。初めての感覚」と首をひねる。
明日以降の出場について支度部屋では「こんな状態じゃあね。ゆっくり親方と話して決めたい」と明言を避けたが、師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は「膝を曲げるだけで痛いと言っている。今の状態じゃ出ても勝てないでしょう」と語り、休場は決定的だ。
直近で休場したのは18年九州場所までさかのぼる。最高位に就いてから一度もない。連続2桁勝利や幕内連続勝ち越しなど、自身の持つ最多記録で継続中のものも多い。丈夫な身体を誇る白鵬が横綱在位49場所目で急遽(きゅうきょ)危機に陥った。(藤原翔)
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