元副大臣巡る記事で読売新聞社に賠償命じる
6月15日
農林水産副大臣を務めた筒井信隆元衆議院議員が、中国側に情報を漏らしたとする記事で名誉を傷つけられたと訴えた裁判で、東京地方裁判所は「記事は真実とは認められない」として、読売新聞社と担当の記者に合わせて330万円の賠償を命じました。
新潟6区選出の筒井信隆元衆議院議員は、平成24年に民主党政権で農林水産副大臣を務めていたときに「在日中国大使館の元1等書記官に機密情報を漏らした」とする読売新聞の記事で名誉を傷つけられたとして、損害賠償などを求めました。
15日の判決で東京地方裁判所の矢尾渉裁判長は、「農林水産省の資料は関係者に流出していたが、内部調査では経路は明らかになっておらず、記者が省の幹部から聞き取ったとする内容も推測を述べたものにすぎない。記事は真実とは認められない」と指摘しました。
そのうえで、「社会的な評価を大きく低下させ、副大臣を辞職する原因になったことがうかがわれる」として、読売新聞社と担当の記者に合わせて330万円の賠償を命じました。
筒井氏は「裁判所がしっかりと判断してくれたので、評価できる」と話しています。
一方、読売新聞グループ本社広報部は「判決内容には不服があるので控訴します」というコメントを出しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150615/k10010115551000.html