同居する長男を殺害したとして、殺人罪に問われた無職西片秀雄被告(65)に対する裁判員裁判で、福岡地裁小倉支部は3日、
懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)の有罪判決を言い渡した。
被告はギャンブル依存症の長男から長年、金を無心され、妻もうつ病になった中での犯行で、量刑が争点だった。
中牟田博章裁判長は「同種の事件と比べても、特に同情すべき点が大きい」と理由を述べた。
判決によると、西片被告は昨年10月2日、北九州市八幡西区の自宅で、長男(当時35歳)の首を電気コードで絞めて殺害した。
被告は犯行後、自殺を図ったが未遂に終わった。
中牟田裁判長は、被告が2006年暮れから長男に金を要求され、その額は少なくとも約1400万円に上っていたと認定。
さらに昨年3月以降、妻がうつ病で入院するなどし、障害があって自活できない次女の将来の不安も重なり、「精神的に相当追い詰められていた」と指摘した。
また、被告が長男の依存症克服のため行政機関や弁護士などに相談していた点について、
「被告なりに行動したが、有効な解決策を見いだせなかった」と情状酌量の理由の一つとした。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150604-OYT1T50033.html