入れ墨お断り…三社祭「宮出し」氏子の手に戻る
15日から始まる東京・浅草の「三社祭」で、神様が乗った本社神輿みこし 3基を境内から担ぎ出すメイン行事の「宮出し」 が、約半世紀ぶりに本来の姿である氏子たちの手だけで行われることになった。
数百年の歴史の中で、近年は暴力団関係者の関与が問題化し、2008年には宮出しが中止に追い込 まれたが、主催者側は、「多くの人が楽しめる、祭 り正常化の大きな一歩」と受け止めている。
毎年150万人以上が訪れる祭りで、最高の盛り上がりを見せるのが最終日の17日。
3基の本社神輿が浅草神社の境内から担ぎ出される「宮出し」 は、44町会の氏子の手で厳かに境内から担ぎ出さ れ、その後、各町を巡る「神輿渡御とぎょ 」に移るのが本来の姿だった。
だが、地元の担ぎ手が減った1960年代、各町 会が全国の愛好家らに担ぎ手を募って以降、一般の担ぎ手が、それぞれ多数の「同好会」を作り、一部 に暴力団関係者が入り込んだ。
クライマックスの宮出しでも、上半身裸、全身入れ墨の男たちが、神聖な神輿に乗って威勢を張る姿が常態化。
氏子がはね飛ばされる事態も相次いだ。
さらに、一部の同好会では、組名の入ったはんてんを売ったり、特定の人に担がせたりするなど、祭りが暴力団の資金源となっているとの指摘もあっ た。
祭りは、高い人気を誇る一方、神社を支える氏子たちが全く担げず、主催者側が管理できない状態が続いた。
このため、02年、警視庁浅草署が仲介に乗り出し、主催者側と同好会側が正常化に向けて協議。
宮出しの最初の20分は氏子が担ぐ時間とし、3基のうち1~2基を氏子が、残りを同好会などが境内の外に担ぎ出すというルール化が図られた。
2015年05月14日
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150513-OYT1T50114.html