米警察が使う「犯罪予知ソフト」は、未来の警察の形か?
エレン・ヒュエット = 文 イーサン・パインズ = 写真 フォーブス ジャパン編集部 = 翻訳 2015年6月号 : P.81
いま、全米の約60都市で警官たちがこの地図を頼りにパトロールに向かっている。ところが、この地図は警察の犯罪分析官がつくったものではない。つくったのは、「プレドポル」という“犯罪予知”ソフトウェアだ。
このソフトは、独自のアルゴリズムで過去の犯罪データを解析し、巡回時に犯罪が起こりそうな場所を10.20カ所ほど赤い枠で表示する。プレドポルによれば、警官たちが巡回時間の5.15%をその表示区域のなかで過ごすだけで、勘や経験に頼るよりも検挙率が高まるという。
プレドポルを利用した警察署が犯罪発生件数を2桁減らしていると知り、ただでさえ予算不足に苦しむ各地の警察が年1万.15万ドル(約120万.1,800万円)を支払ってでも使おうとしている。実際、ソフトを導入したカリフォルニア州サンタクルーズでは、初年度に空き巣が11%、強盗が27%も減少している。
プレドポルは、そのサンタクルーズを拠点にする創業3年目の犯罪予知専門のIT企業だ。すでに、370万ドルもの資金を調達し、ゲーム会社「アタリ」の元副社長だったラリー・サミュエルズを最高経営責任者(CEO)に迎えるなど、さらなる成長を見据えている。サミュエルズは、プレドポルの2015年の売り上げを500万.600万ドルと予測している。
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