ハワイのウグイス、さえずり「日本より単純」
80年ほど前に日本本土からハワイに持ち込まれたウグイスの子孫は、日本のウグイスよりもさえずり方が単純であると、国立科学博物館筑波研究施設(茨城県つくば市) が発表した。
同施設の浜尾章二・脊椎動物研究グループ長は「複雑なさえずりは縄張り争いを有利にするが、ハワイは競争が激しくないため単純化した」と分析している。
成果をまとめた論文が先月、米科学誌電子版に掲載された。
ウグイスは、縄張りを守るた めに他のオスを排除したり、メスを呼び寄せたりするためにさ えずる。さえずり方は環境変化や縄張り争いなどの生存競争に応じて変わるが、ハワイのウグイスのさえずり方の研究はこれまでなかったという。
約80年前、日本からハワイへ渡った移民がウグイスを持ち込んだとされる。
浜尾グループ長は埼玉県とハワイでそれぞれ、ウグイスのさえずりを録音して比べた。
その結果、日本のウグイスは「ホーホケキョ」とさえずる一方、ハワイのウグイスは「ホーホ ピッ」などと単純だった。
浜尾グループ長は「日本のウグイスは毎年移動して縄張りを作るため、競争が激しい。一方、ハワイでは移動がないためさえずりが単純化したと考えられる」と話している。
2015年05月10日
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150510-OYT1T50003.html