(2015年4月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43496
フランスの極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン党首は、次の選挙に向けて党の浄化を図る中、党の創始者である
父親のジャンマリの追放に動き出した。
深まるお家騒動の中で、マリーヌ・ルペン氏は、86歳の父親による数々の問題発言を受け、今年の地方選挙での父親の
出馬に反対すると述べた。
ジャンマリ・ルペン氏は先週、ナチスのガス室は歴史の「細部」にすぎないとした過去の発言を擁護し、7日には、スペイン生まれ
のフランス首相、マニュエル・バルス氏を「移民」と呼んだと伝えられた。
また、右派雑誌リバロルの取材では、ナチス・ドイツと協力した戦時政権の指導者、フィリップ・ペタンを擁護し、戦後のフランス
政府は彼に「厳しすぎた」と語った。
「焦土作戦か政治的自殺」に走る父親と決別
2011年からFNを率いているマリーヌ・ルペン氏は8日の声明で、次のように述べた。
「ジャンマリ・ルペンは身を落とし、焦土作戦と政治的自殺の間のどこかに入る戦略に出たようだ。名誉党首としての地位は、
一見私にダメージを与えることを意図したが、残念ながら運動全体を襲った低俗な挑発でFNを乗っ取る権利を彼に与えるもの
ではない」
同氏はさらに、父親がプロバンス・アルプ・コートダジュール地域で党代表として立候補することになっていた12月のフランス地方
選挙について、党の支援を与えないことを本人に伝えたと語った。
FN副党首のフロリアン・フィリポ氏は「ジャンマリ・ルペンとの政治的対立は今や完全かつ決定的なものになった。マリーヌ・ルペン
の指導の下で、速やかに決断が下される」とツイートした。
マリーヌ・ルペン氏は党を引き継いで以来、銀行国営化や通貨フランの復活などの経済問題により大きな重点を置くことで、
人種差別主義と反ユダヤ主義のイメージを払拭し、党を政治の主流派へ移行させようとしてきた。
(以下略)