昨年4月に千葉県立木更津東高校の定時制に入学した木更津市桜井の宮内哲さん(78)が、体調面の不安から今月いっぱいで退学することになった。卒業はかなわなかったが、母親と約束した“夜学”での高校生活を1年間、全うすることができた。宮内さんは「心の卒業を迎えられた。後悔はない」と晴れやかな笑顔を見せた。
7歳の時に父親が戦病死した宮内さんは、貧しさで高校に進学することができず、中学を卒業した15歳の時に、遠い親戚を頼って新潟県から上京し働き始めた。
高校へ通わせてやれないことを悔やんでいた母親とは、「東京で夜学にでも通うよ」と言葉を交わして別れた。「さみしい中学の卒業だった。それ以来、卒業式の時期になると、どこか嫌な気持ちになっていた」。そんな心のわだかまりが、念願の高校生活で払拭(ふっしょく)された。
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