カメレオンの皮膚にはとても小さな結晶を含んだ細胞の層があり、この細胞の伸縮によって体の色を変化させていることがわかった。
スイス、ジュネーブ大学の研究チームが、10日付け英科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』に発表した。
研究チームが調べたのは、パンサーカメレオン(学名:Furcifer pardalis)の皮膚構造。このカメレオンの皮膚には、微小結晶入りの細胞でできた2つの層があるという。
2つの層を作っている細胞は虹色素胞といい、このうち体表に近い1層目が完全に発達しているのはオスの成体だけだ。
色とりどりの体をメスに見せてアピールするためである。カメレオンがリラックスしている時、結晶は密に並んでおり、青色の光を反射する。それが皮膚にある黄色の色素と結びついて、体が緑色に見えるわけだ。逆に、細胞が引き伸ばされると結晶同士の間隔が広がるため、現れる色は黄色から赤の範囲になる。
下層にあたる2層目は、どのカメレオンにもある。同じく虹色素胞でできているが、反射する光のスペクトルは1層目よりも広く、特に近赤外線を反射する。目には見えないが、熱として感じる波長に近い光だ。
研究チームは、この2層目の働きが変温動物であるカメレオンの体温調節に役立っているのではないかと推測する。一方、体表に近い1層目は、敵から身を守るためのカムフラージュと、求愛のための体色変化に関わっているとみられる。
以下ソース
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20150312/438952/