愛知県中部で、工業用水や農業用水を供給している水道の取水施設「明治用水頭首工(めいじようすいとうしゅこう)」で17日から川から取水できない状態となっています。
施設を管理する東海農政局は、十分な量の工業用水を供給するため、ポンプの手配を進め、順次稼働させています。
この影響でトヨタ自動車は部品の供給が滞るとして、19日にトヨタの完成車の生産を担っているグループ会社「豊田自動織機」の工場で、稼働を一部停止すると明らかにしました。
17日未明、愛知県豊田市にある矢作川から水を引き込む工業用水や農業用水の取水施設で水門の下の川底に何らかの原因で穴が空いて大量の水が下流に流れ出る状態になって水位が下がったため午後6時ごろには取水口から水をくみ上げることができなくなりました。
このうち工業用水について愛知県は、下流にある浄水場にためている水がなくなり次第、給水が止まる見込みだとしています。
これを受けて取水口を管理する東海農政局は、できるだけ早く事業所へ十分な工業用水を供給する体制を整えたいとしており、ポンプを順次稼働させ、川からくみ上げた水を直接用水路に流しています。
また今回、トラブルが起きている施設からは農業用水も取水されていますが、同様に水をくみ上げられない状態となっていて、農地への供給が止まっています。
東海農政局では、農業者に対しため池の水を活用することや、場合によっては田植えなどの作業の時期を先延ばしすることなどをお願いしたいとしています。
農政局は、今後漏水を止めるための具体策を検討することにしていますが、少なくとも数日間は、ポンプを使った応急的な対策をとらざるを得ない、としています。
一方農政局によりますと、現場近くでは取水施設の耐震化工事が行われていたほか、去年12月にも小規模な漏水がありましたが今回の漏水との因果関係はわかっていないということです。
東海農政局の小林勝利局長は記者会見し「急激に水が抜けていくことを想定していなかった。結果的に後手にまわって発表が遅くなったことは申し訳ない」と陳謝しました。
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