政府が国旗刷新を提案したニュージーランドで24日、現行の国旗もしくは新たなデザインの国旗のどちらかを最終的に選ぶ2回目の国民投票が締め切られ、同国の選挙管理委員会は同日夕、現状維持が決まったとの暫定開票結果を発表した。
現行国旗の支持派は56.6%以上だった。一方で、新たな国旗候補として昨年実施の1回目の国民投票で選ばれた黒、白、青の3色を基調に「シルバー・ファーン」と呼ばれる同国特有のシダや南十字星をあしらった図案は43.2%と当初の予想を越える支持率を獲得する結果となった。
選挙管理委によると、投票率は67.3%で投票者総数は約210万人。決戦となる今回の国民投票は3月3日に開始した。最終開票結果は今月30日の発表の見通し。
シルバー・ファーンをあしらった作品は、昨年実施の1回目の国民投票で5候補の中から選ばれていた。過去100年以上使われている現在の国旗は、南十字星と英国国旗のデザイン「ユニオンジャック」を組み合わせたもので、時代錯誤的でオーストラリア国旗と酷似しているとの反発があった。
国旗変更の中心的な推進者は保守派の国民党政権を率いるキー首相で、シルバー・ファーンは国家の歴史的シンボルであり、国家的な矜持(きょうじ)を高めるなどと主張していた。
一方で、同首相の批判派勢力は国民投票に必要な1760万米ドル(約19億9000万円)相当の多額な資金に難色を示すと共に、新たな国旗への変更に対する国民の支持意見が少ないことも指摘。今月10~15日の間に実施された世論調査結果によると、国旗変更の支持者は35%だった。
150万票が投じられた昨年の1回目の国民投票では、シルバー・ファーンが入った国旗を現行国旗と代える1番目の候補と選んだのは40%だった。
http://www.cnn.co.jp/world/35080093.html