県内観光地「バス客減った」 制度改正で運賃上昇影響か
03月29日（日）
国土交通省は１２年４月に関越道で乗客７人が死亡した高速ツアーバスの事故を受け、１３年８月までに運転手１人による「ワンマン運転」が可能な距離、時間を短縮。
昨年４月には車両点検の時間なども運賃に反映させる制度を導入した。バス事業者らは、県内の観光地には運賃制度見直しの影響が大きいとする。
名古屋市と志賀高原（下高井郡山ノ内町）のスキー場の間で定期バスを運行する観光販売システムズ（名古屋市）は、昨季は片道５５００円、往復１万円だった運賃を今季は片道７千円、
往復１万３５００円に改定。北安曇郡白馬村や下高井郡野沢温泉村などへスキーバスを出しているラド観光（大阪市）も、関西からの運賃を１人当たり２千～３千円引き上げた。
大阪市の貸し切りバス事業者によると、大阪市と白馬、志賀高原などを往復するバス１台の貸し切り料金（１泊２日）は今季、２０人乗り程度で１台２０万～２５万円。
岐阜県のスキー場へは１５万円程度といい、
「旅行会社からの発注が大阪発は目的地が愛知や岐阜、金沢など近場に切り替わった」とする。
長野県観光部が１月末にまとめた昨年末から年始にかけてのスキー場利用状況調査によると、大町市と白馬村、北安曇郡小谷村の７スキー場の利用者は前期比１０・５～２２・５％の減。
各スキー場は、主な理由に大雪とツアーバスの利用者減を挙げた。白馬五竜スキー場（白馬村）を運営する五竜（同）の駒谷嘉宏社長は、昨年１１月の地震による風評被害の影響もあったとした上で、
「今は車を持たない若者も多く、バス運賃が上がったことでスキー離れが進むのではないか」と懸念している。
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