世界遺産の遺跡で知られるシリア中部のパルミラを過激派組織「イスラム国」が制圧しました。遺産破壊の懸念が強まっています。
パルミラの市街地と隣接する遺跡地区では、シリアのアサド政権側と過激派組織「イスラム国」がこの数日間、攻防戦を続けて
いました。そして20日夜、「イスラム国」支持者が相次いでインターネット上にパルミラの制圧を伝えました。また、シリアの国営メディアも
「市街地から兵を撤退させた」と明らかにしました。パルミラは紀元前1世紀から3世紀ごろにかけての古代ローマの都市遺跡で、
世界遺産にも登録されています。シリア政府は博物館から収蔵品を避難させたとしていますが、「イスラム国」はこれまでにも支配下に
置いた遺跡を次々破壊して、今回も同じように遺跡が破壊される懸念があります。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000050874.html
イギリスを拠点にシリアの内戦を監視している人権団体によりますと、過激派組織ＩＳはシリア中部のパルミラに攻撃を仕掛け、
激しい戦闘の末、２１日朝までに政府軍の部隊を撤退させたということで、人権団体は、ＩＳがパルミラの全域を制圧したとしています。
また、ＩＳを名乗る組織は２１日、ツイッターで「ＩＳは政府軍が逃げ去ったあとパルミラ全域を支配下に置いた」とする声明を出しました。
パルミラの南西部にはユネスコの世界遺産に登録されている、およそ２０００年前の王国の神殿や劇場の跡をはじめとした巨大遺跡が
あり、ＩＳの戦闘員がすでに遺跡に侵入したという情報もあります。
ＩＳは、先週以降、パルミラに対して執拗に攻撃を仕掛けていて、シリア政府は移動が可能な石像など数百点を安全な場所に移す
などの措置を取りました。
ユネスコも戦闘の停止を求める緊急の呼びかけを行っていますが、ＩＳはこれまでイラク北部にある世界遺産の遺跡などを「偶像崇拝
に当たる」などとして繰り返し破壊していて、中東有数の貴重な文化遺産がＩＳの破壊行為にさらされる懸念がさらに強まっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150521/k10010087351000.html