俺が体験した怖い話聞いて ID:ePilQfIw

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2017/08/09(水) 18:19:34.02 ID:ePilQfIw

病気でとある病院に入院している女の子がいた。仮にAちゃんとする。
Aちゃんと親戚であり住んでいる場所が病院から近かった俺は、時々お見舞いに行っていた。
その病院は昔からある病院で、ところどころ老朽化しており「雰囲気あるなぁ」という感じ。
ある日、お見舞いに行くとなんだかAちゃんの元気がない。
どうした?なんて野暮なことは聞かない。ずっと病院じゃそりゃ気が滅入るだろう。
Aちゃんは歩行には問題ないため、俺は散歩に誘うことにした。渋々頷くAちゃん。俺何かしたかな。
一緒に話しながら歩き、自動販売機のところでジュースを買う。小銭を入れ、何飲む?とAちゃんのほうを振り返ると、こっちではなく廊下の先をジッと見つめていた。
Aちゃんの目線の先に目を向けると、髪の長い少女が遠くに立っていた。Aちゃんも髪は長いが、それとは違い厚ぼったい手入れのされていないような髪型だった。おそらくこの子と同じくらいの年齢で、服装からしてここに入院しているのだろう、と思った。
俺の視線を感じてかは分からないが、その少女は廊下の奥のほうに走っていき、角を曲がって見えなくなってしまった。
Aちゃん曰く、「どこに行ってもいて、いつもこっちを見ている」らしい。
友達になりたいんじゃないかな、とAちゃんに言いジュースを買って部屋に戻った。

後日、仕事帰りにお見舞いに行った。
喉が乾いたと言うので、ジュースを買いに行く。その日は機嫌が良かったのか一緒に行きたいと言うので、また前回のように自動販売機まで一緒に歩く。
そんなに遅い時間ではないが、夜の病院はいっそう雰囲気がある。
2人で歩いていると、また例の少女が遠くに立っていた。
Aちゃんは歩みを止め、なんだか怯えた表情。
ここらではっきりせねば、と俺は手招きし少女を呼んだ。
少しずつ近づいてくる少女。俺は怯えるAちゃんの数歩前に出てしゃがんで待機していた。
少女が小走りで俺の方に向かってきた。警戒心がなくなったのだろう。
当然俺の手前で止まるだろうと思っていたが、俺との距離が3mくらいのところまで来たときに突然少女がフッと消えた。
ヤバイ!と思った。直前まで生身の人間だと信じて疑わなかったがこうなってくると話が違う。目的は俺ではなくAちゃんのはず、Aちゃんが危ない。
Aちゃんの名前を叫びながら振り返ると、俯いて長い髪が顔を覆って表情の見えないAちゃんが俺の服の裾を掴んでいた。
胸のあたりがドクンッとなってそこで目が覚めた。そう、夢だったのだ。
俺にはAちゃんという可愛い親戚はいなかったのである。おわり


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